【1月18日 AFP】アルゼンチンで16日、長年行われている食肉業者が牛の枝肉(頭、内臓尾、四肢の端を取った肉)を担いで運ぶ習慣が段階的に禁止されることが決まった。

 中道左派のアルベルト・フェルナンデス(Alberto Fernandez)政権は、衛生・健康面のリスクを理由に挙げている。

 アルゼンチンでは牛肉が好まれており、1人当たりの消費量は年間48キロ近くに上る。食肉業者が腰をかがめながら巨大な牛肉の塊を担いでいる様子は日常的に見られるが、枝肉は重さ100キロを超えることもあり、屈強な人でも大きな負担となっている。

 長年の慣習をめぐり、業界内でも意見が二分している。新たな規制により近代化されれば、牛肉があちこちに触れるのを防止でき衛生的だと賛成の声がある一方、牛肉を移動させる道具に投資する資金がない小規模業者には不利だという意見も多かった。

 2020年には、1人が担いで運べる枝肉は25キロまでとされたが、翌年には32キロまでに改定された。

 農牧漁業省によれば、枝肉そのものがなくなることはないが、トラックから運ぶ際は滑車とレールを使用しなければならない。(c)AFP