【1月13日 AFP】フランスで、同性愛者であることを理由に学校でいじめを受けていた13歳の少年が自殺し、国内に衝撃が広がっている。同性愛者であることを公表している政府高官は、同性愛嫌悪が人を殺すこともあると警告した。

 リュカさんは7日、東部ボージュ(Vosges)県ゴルベー(Golbey)で自ら命を絶った。これを受けて検察は、未成年者に対する嫌がらせの容疑で捜査を開始した。

 県検察のフレデリック・ナオン(Frederic Nahon)氏が12日夜に明かしたところによると、リュカさんの友人が捜査員に対し、リュカさんが「同性愛者であることを理由に同じ学校の生徒から数か月にわたりいじめを受けていた」と話した。リュカさんの家族は、現時点では刑事事件としての被害届は出していないものの、学校の状況は国民教育省に報告されたという。

 パップ・エヌディアイ(Pap Ndiaye)国民教育・若者相はツイッター(Twitter)に「この少年のように、いじめられている全ての生徒に思いを寄せている。こういった生徒の絶望が、あらゆる形のいじめを防止したいという私の覚悟の根底にある」と投稿した。
 
 2020年、欧州問題担当長官を務めていた際に同性愛者であることを公表したクレマン・ボーヌ(Clement Beaune)現交通担当相は「同性愛嫌悪は人を殺す。リュカの家族に哀悼の念と支援を表明する」とツイートした。

 地元の教育当局によると、リュカさんは昨年9月から学校で「からかい」を受けていた。「学校の担当者らはこの件を直ちに深刻に受け止め、日々特別な配慮をしていた」と説明している。(c)AFP