【1月10日 CNS】自然に目が覚めるまで寝て、日中はレトロ用品の掘り出し物を探すため買い物に出かけ、夜はインターネットでライブ販売する。それが中国・湖南省(Hunan)長沙市(Changsha)に住む「85後(1980年代後半生まれ)」の熊偉(Xiong Wei)さんの1日だ。熊さんはレトロ用品を収集・販売するインフルエンサーとして知られている。

「子どもの頃から古文書や書画、数珠を集めるのが好きでした」という熊さん。大学卒業後は衣料品の販売や書画の模写などの仕事に就いたが、満足感を得られなかった。そんな折、50年程前の長沙市の街並みを再現したアミューズメント施設「文和友」が誕生し、爆発的人気を得たことから、熊さんはレトロ用品のコレクターに転身した。収集したコレクションは九つの部屋と一つの倉庫に保管しており、「長沙の多くの古い物がここにあります」と胸を張る。

 天心閣骨董(こっとう)城や韭菜園など、以前なら高齢者ばかりだった骨董品市場には若者の姿が目立つようになった。

「韭菜園で最初に手に入れた『戦利品』は、36年モノの湖南大学(Hunan University)の校章でした」。00後(2000年代生まれ)の女性、卜雪燕(Bu Xueyan)さんは3年前からレトロマニアとなり、現在のコレクション数は600点を超える。SNSにお気に入りコレクションを投稿すると、フォロワーは3万2000万人に達した。卜さんは湖南大学大学院に入るため試験勉強をしており、「最初はただの趣味だったので、お金を稼げるとは思っていませんでした。いずれ十分な時間ができたら、この趣味を副業にしたい」と話している。

 中南大学(Central South University)大学院に通う24歳の楊四方(Yang Sifang)さんも2021年にレトロマニアの仲間入りをした。「昔から歴史が好きで、『宝探し』のプロセスも楽しんでいます」。数十元(数百円)から数万元(数十万円)まで数百点のレトロ用品を収集している。「骨董品市場には本物と偽物が入り交じっています。若者はこの世界に踏み入れる前に、十分な心の準備をしておく必要があります」と楊さんは語る。

 熊さんは「より多くの若者がレトロな世界の魅力と文化に触れ、歴史と文化を伝える担い手になってほしい」と話している。(c)CNS/JCM/AFPBB News