中国のネット通販でシルバー層が一大勢力 Z世代に次ぐ主力に
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【1月8日 CNS】手帳に書いた「欲しいものリスト」をもとに電子商取引(EC)サイトで価格を比較し、クーポンを確認して、ショッピングカートに入れる。中国で毎年12月12日に行われるネット通販セール「双12(ダブル12)」で、吉林省(Jilin)吉林市に66歳の李常艶(Li Changyan)さんは夫と一緒に入念な準備を重ねた。
李さんはオンラインショッピングに熱心で、購入金額は2人の子どもより多いという。ダウンジャケット、常備薬、サプリ、穀物、油、おやつなど、生活必需品のほとんどをオンラインで購入している。
2021年末時点で中国の60歳以上人口は2億6700万人に達し、総人口の18.9%を占めている。2050年までに、中国の高齢人口の潜在消費量は約106兆元(約2008兆円)までに増加すると推定されている。
中国ネット通販大手の京東(JD.com)が発表したデータによると、2022年11月11日に実施された通販セール「双11(ダブル11)」のプレセール期間中、シルバー層の消費は大幅に増加し、1人当たりの購入件数では前年比47%増加した。
中国IT大手阿里巴巴集団(アリババグループ、Alibaba Group)の「高齢者のデジタルライフ報告」によると、シルバー層の消費者は急成長しており、1990年代半ばから2010年ごろまでに生まれた「Z世代」の若者に次ぐ新たな消費勢力となっている。
李さんは、定年退職後は時間に余裕ができたので、娘からスマートフォンの使い方を習い、いつでも商品の割引情報をチェックできるようになったことで家計の節約にもつながったという。
吉林市の歴史研究者である皮福生(Pi Fusheng)氏は、「近年、高齢者はますます重要なオンライン消費者として成長してきていることから、ECプラットフォームは画面のフォントを大きくするなどしてサイト上の操作を簡単にし、返品・交換などの窓口も便利にすべきだろう」と指摘している。(c)CNS/JCM/AFPBB News