【1月7日 AFP】アフガニスタンのイスラム主義組織タリバン(Taliban)の幹部は6日、英国のヘンリー王子(Prince Harry、38)がアフガン従軍時にタリバンの戦闘員25人を殺害したと告白し、盤上から「チェスの駒」を取り除くようなものだったと表現していることを非難した。

 王子はこれまで、アフガンで何人を殺害したかを公表していなかった。だが、パイロットとして搭乗した攻撃ヘリコプター「アパッチ(Apache)」の機首にはビデオカメラが取り付けられていたため、殺害した人数を明確に把握できていた。来週発売予定の自伝「スペア(Spare、原題)」では、「私の(殺した)数は25人だ。満足できる数字でも、恥じる数字でもない」と記している。

 これに対してタリバン幹部のアナス・ハッカニ(Anas Haqqani)氏はツイッター(Twitter)で、「ミスター・ヘンリー! あなたが殺したのはチェスの駒ではなく人間だ。帰りを待つ家族もいた」として、王子は「戦争犯罪」を行ったと非難した。

 さらに「あなたの言う通り、あなた方の兵士や軍、政治指導者にとって、罪のないわが国民はチェスの駒だったのだろう」「それでも、あなた方は『ゲーム』に負けたのだ」と続けた。

 タリバン政権のビラル・カリミ(Bilal Karimi)報道官も王子の発言を批判。

「このような犯罪を行ったのはヘンリー王子に限ったことではない。どの占領国もわが国で同じような犯罪を繰り返してきた」「アフガン人は占領国が犯した罪を決して忘れず、宗教と国家を守る精神を永久に持ち続けるだろう」とツイートした。

 王子がアフガン従軍をめぐって論争を巻き起こしたのは今回が初めてではない。2013年にも、戦闘員を撃つことをテレビゲームに例え、タリバンから精神状態を疑問視された。(c)AFP