【12月31日 AFP】中国は30日、世界保健機関(WHO)などと共有してきた新型コロナウイルス感染症(COVID-19)関連情報の「透明性」を主張した。中国は病院が大混雑しているにもかかわらず、政府発表による感染者数・死者数は他国と比べて著しく少ない。

 WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長は29日、一部の国が新型コロナウイルスの感染者が急増している中国からの入国者に対する水際対策を強化していることについて、「中国からの包括的な情報がない中、各国が自国民を守れると考える方法を取るのは理解できる」とツイッター(Twitter)に投稿。中国に対し、新型コロナに関する情報の積極的な公開を求めていた。

 しかし、中国外務省の汪文斌(Wang Wenbin)報道官は定例会見で、「中国は新型コロナの流行が始まって以来、関連情報をオープンかつ透明性のある形でWHOを含む国際社会と共有してきた」「最初に新型コロナの塩基配列を共有したことで、他国でのワクチンや薬の開発に多大な貢献を果たした」と述べた。

 さらに、複数の国の保健医療専門家は、中国からの渡航者に入国制限を課す必要はないと述べていると付け加えた。欧州連合(EU)の保健機関も、現時点でそうした措置を取る理由はないとしている。(c)AFP