【12月31日 CGTN Japanese】中国南西部に位置する雲南省・楚雄イ族自治州の禄豊市、武定県と双柏県でここ数年、多数の恐竜化石が発見されています。周辺の土壌の深刻な風化と雨水による浸食などの自然現象により、一部の化石は既に地表に露出しているのが現状です。恐竜化石の保護を強化するため、上記3県(市)ではこのほど、恐竜化石の発見現場のうちの9カ所を対象に緊急発掘作業が始まりました。

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 楚雄イ族自治州は、「恐竜の王国」「化石の宝庫」として知られています。1938年に州内の禄豊市・沙湾地区で初めて恐竜の完全な骨格化石が発見されて以来、全州2万9300平方キロメートルの土地から410体以上の恐竜の個体化石が発掘され、大量の足跡化石も発見されています。

 今回の緊急発掘調査の対象となった9カ所の恐竜化石の多くは山の斜面にあり、化石が埋まっている場所がいずれも比較的浅く、骨格の形がはっきりと分かりますが、周辺の土壌の深刻な風化と、雨水による浸食などの自然現象で、既に一部の化石が地表に露出しています。

 専門家の初歩的な分析では、双柏県で発見された1カ所の化石がジュラ紀中後期に属する以外、残り8カ所の化石はいずれも前期ジュラ紀に属するものだと判明しました。中でも、武定県万徳鎮で発見された化石から、この地域の恐竜はジュラ紀最前期に生存しており、禄豊盆地のルーフェンゴサウルスに代表される恐竜群よりも早く、これまでに中国で発見された恐竜骨格化石の中で最も古いものである可能性があると推測されています。(c)CGTN Japanese/AFPBB News