【12月29日 AFP】イランの女子チェス選手のサラ・ハデムアルシャリア(Sara Khademalsharieh、25)が今週、女性の髪を隠すスカーフ「ヒジャブ」を着けずに国際大会に出場した。イランチェス連盟(IRCF)の会長は28日、イラン代表としての出場ではなかったと説明した。

 報道によると、ハデムアルシャリアはカザフスタン・アルマトイ(Almaty)で行われた国際チェス連盟(FIDE)主催の大会にヒジャブを着用せずに出場したとされている。

 スポーツ選手を含むすべての女性にヒジャブ着用を義務付けているイランでは、服装規定違反の疑いで逮捕されたマフサ・アミニ(Mahsa Amini)さん(22)が道徳警察の拘束下で死亡した問題をきっかけに、9月から抗議デモが続いている。

 スポーツ界でも最近、一部の女子選手がヒジャブを着けずに大会に出場しており、今回のハデムアルシャリアの行動も、デモを支持するものだとの見方がある。

 IRCFの会長は、同国のファルス(Fars)通信で「当該選手は自由に自費で(大会に)参加した」とコメントし、「ハデムアルシャリアはこれらの大会に当連盟を通じてではなく、個人として参加し、今回の行動を取った」と説明。「過去の大会では方針に従って参加していたので、このような行為は予想していなかった」と述べた。(c)AFP