【12月29日 AFP】(写真追加)ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領が、同盟関係にある独立国家共同体(CIS)の首脳8人に金の指輪を贈呈したことから、英作家J・R・R・トールキン(J.R.R. Tolkien)のファンタジー小説「指輪物語(The Lord of the Rings)」に登場する冥王サウロン(Sauron)をほうふつさせるとのコメントが相次いでいる。

 プーチン氏は、26~27日にサンクトペテルブルク(St. Petersburg)で開かれたCIS非公式首脳会議で、参加した8か国の首脳に対し、CISの紋章と「ロシア」、「謹賀新年2023」の文字が刻まれた黄金の指輪を贈呈。自身のためにも9個目の指輪を用意した。ただ、実際に指輪を身に着けた姿がカメラに収められたのはベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領だけだった。

 小説では、サウロンが9人の王に指輪を与えることで、王たちを意のままに操る。著名政治学者のエカテリーナ・シュルマン(Ekaterina Schulmann)氏を含む一部の政治評論家は、指輪の贈り物は実際に「指輪物語」を意識したものだったとの見解を示している。

 ウクライナ当局者はこれまで、2月にウクライナ侵攻を開始したロシアをサウロンの王国「モルドール(Mordor)」に、同国軍の部隊をサウロンの兵士「オーク」になぞらえてきた。ウクライナのオレクシー・ゴンチャレンコ(Oleksiy Goncharenko)議員は、「プーチン氏は21世紀のヒトラー(Adolf Hitler)を演じるのに飽き、指輪の王を演じることにした」と皮肉っている。(c)AFP