伝統の湯葉「腐竹」でまちおこし 中国湖南省の農村
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【1月3日 CNS】43歳になる尹康乾(Yin Kangqian)さんは、故郷の村と共同で中国の伝統食材である乾燥湯葉「腐竹」の工場を建て、村の人びとを豊かにしている。
中国・湖南省(Hunan)永州市(Yongzhou)江永県(Jiangyong)桃川鎮(Taochuan)邑口村(Yikou)にその工場はある。
もともと尹さんは広東省(Guangdong)広州市(Guangzhou)番禺区(Panyu)で縫製工場を経営していたが、故郷の桃川鎮開井村(Kaijing)に戻って養豚場を始めた。桃川鎮一帯には昔から腐竹を作る伝統があり、桃川鎮邑口村トップの共産党書記が、尹さんに工場建設を持ちかけたのだ。
腐竹工場は村から土地を譲渡され、村で育てられた高品質の大豆を使って腐竹を生産し、販売することになった。利益が出たら、企業が52%、村側が40%、村人の個人株主たちが8%の配当を受け取ることも決めた。
腐竹工場は、伝統的な製法を守りながらも、最新の設備を導入し、原材料を吟味して、粉砕、ろ過、煮沸、ゆっくりとした乾燥を経て腐竹を製造している。このような製法で作られた腐竹は、加熱しても柔らかくなりすぎず、大豆の風味が豊かなことから消費者に好まれている。
邑口村の腐竹のブランドは有名になり、特産品として各地から注文が相次ぐようになった。地元の湖南省だけでなく、広東省、広西チワン族自治区(Guangxi Zhuang Autonomous Region)にも出荷されるようになった。
「工場ができる前は出稼ぎを強いられ、家族と暮らすことができなかった。現在は家の近くで働き、1日120~150元(約2305~2881円)を稼ぎ、自分の果樹園の世話もできるようになり生活が良くなった」と邑口村の村人尹秀蓮(Yin Xiulian)氏は語る。
腐竹工場の従業員は現在30人で、年間25万~40万元(約480万~768万円)の利益を上げている。邑口村の幹部である謝韶光(Xie Shaoguang)氏は、腐竹工場の大豆加工規模は、2年以内に1日750キロから1000キロに、年間の利益も70万元(約1345万円)から90万元(約1729万円)に増加し、20人以上の新たな雇用を創出すると予測している。(c)CNS/JCM/AFPBB News