【12月27日 AFP】(更新)台湾の蔡英文(Tsai Ing-wen)総統は27日、兵役義務を4か月から1年に延長すると発表した。中国からの増大する脅威に備える必要があると説明している。

 蔡氏は記者会見で「現行の4か月の兵役は、常時急変する状況に対応するのには不十分だ」として、「2024年から、1年間の兵役義務を復活させることを決定した」と述べた。

 さらに同氏は、中国からの「台湾に対する威嚇と脅威はますます明白になりつつある。誰も戦争は望まないが、平和は空から降ってはこない」と訴えた。

 延長措置は、2005年1月1日以降生まれの男性が対象になるという。

 台湾ではかつて兵役が極めて不人気で、前政権は軍を主に志願制へと移行させ、兵役義務も1年から4か月に短縮していた。

 しかし最近の世論調査では、市民の4分の3以上が4か月では短過ぎると考えていることが明らかになった。また軍も、報酬の低さが原因で、志願兵の補充に苦慮していた。

 蔡氏は今回の変更について、「次世代のため、民主主義的な生き方を守っていく上での苦渋の決断」だったと説明した。(c)AFP