【12月27日 AFP】サッカーW杯カタール大会(2022 World Cup)はリオネル・メッシ(Lionel Messi)とクリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)にとって最後のW杯になったとみられるが、才能あふれる若手の台頭を目の当たりにする大会にもなった。

 ここでは、今大会で輝いた5人の新星をAFPが紹介する。

■ジュード・ベリンガム(Jude Bellingham)/イングランド

 W杯カタール大会のスター候補と目され今大会に臨んだ19歳のベリンガムは、世界で最も優れたタレントの一人として大会を後にした。

 現代的なボックストゥボックス型MFで、ドイツ・ブンデスリーガ1部のボルシア・ドルトムント(Borussia Dortmund)に所属するベリンガムは、6-2で大勝したグループステージのイラン戦で見事なヘディングを突き刺し、チームの今大会初得点をマークした。

 セネガルに3-0で快勝した決勝トーナメント1回戦でも際立ったプレーを披露したベリンガムは、ジョーダン・ヘンダーソン(Jordan Henderson)の先制点をお膳立てすると、ドリブル突破で中盤を突破し2点目につながる攻撃を仕掛けた。

■コーディ・ガクポ(Cody Gakpo)/オランダ

 オランダ・エールディビジ、PSVアイントホーフェン(PSV Eindhoven)での絶好調ぶりをそのままに大舞台へ乗り込んだ23歳のガクポは、グループステージの全3試合でゴールを決めた今大会唯一の選手となった。

 2-0で勝利したセネガルとの初戦で、終盤に先制点となるヘディングを突き刺したガクポは、1-1の引き分けに終わった続くエクアドル戦でも強烈な左足シュートで試合の均衡を破り、カタールとの3戦目でも巧みなフィニッシュでチームを2-0の勝利に導いた。

 決勝トーナメントではゴールを決められなかったが、PK戦の末にアルゼンチンに敗れ準々決勝敗退となったチームにおいて自身の役割を果たした。

■ゴンサロ・ラモス(Goncalo Ramos)/ポルトガル

 スイスに6-1で大勝した決勝トーナメント1回戦で、キャプテンのクリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)に代わって先発に選ばれ、センセーショナルな形でチャンスをつかんだラモスは、代表チームで同選手の後継者になる可能性を示した。

 銃を構えるゴールパフォーマンスから、ピストレイロの愛称で知られるラモスは、代表初先発となったスイス戦でハットトリックを達成し、自身の名を世界中に知らしめた。

 ポルトガル1部のベンフィカ(Benfica)に所属する21歳のラモスはスイス戦の開始17分に先制点を挙げ、W杯の決勝トーナメントでのゴールというロナウドも成し遂げていない快挙を果たした。

 準々決勝で敗退したため、再度チームの英雄になることはなかったが、まだまだ時間には余裕があり、ロナウドが引退する前ではないとしても同選手が代表を去った後は間違いなくチームに長くとどまるだろう。

■フリアン・アルバレス(Julian Alvarez)/アルゼンチン

 22歳のアルバレスは、攻撃的なタレントを次々と輩出するアルゼンチンから新たに誕生したストライカーだ。

 アルゼンチン1部のリーベル・プレート(River Plate)からイングランド・プレミアリーグ王者マンチェスター・シティ(Manchester City)への注目の移籍で始まったアルバレスの一年は、今大会で輝かしい活躍を見せたことで世界で最も才能あるタレントの一人と称賛される中で幕を閉じた。

 グループステージの最初の2試合でベンチスタートとなったが、2-0で勝利したポーランド戦で先発しネットを揺らすと、オーストラリアを2-1で下したベスト16でも決勝点となるチームの2点目を決めた。オランダとの準々決勝でまたしても堅実なプレーを披露したアルバレスは、クロアチアとの準決勝では2ゴールを挙げた。

■ヨシュコ・グヴァルディオル(Josko Gvardiol)/クロアチア

 クロアチアが4強入りという躍進を見せる中、立て続けに素晴らしいパフォーマンスを披露した20歳のDFグヴァルディオルは、世界最大の大会でその名を上げた。

 11月に所属するRBライプツィヒ(RB Leipzig)での試合中に鼻の骨を折り、右目のあたりがひどく腫れたグヴァルディオルは開幕前にW杯欠場の危機にさらされたが、フェースマスクを着用して出場することになった。

 グヴァルディオルは簡単に見分けがついただけなく、情け容赦のない守備とボール保持時の安定感で傑出していた。ベルギーとのグループステージ最終節では、終盤にFWロメルー・ルカク(Romelu Lukaku)にタックルを仕掛けたことで、クロアチアは早期敗退を免れた。

 PK戦の末にブラジルを下した準々決勝では、相手攻撃陣の脅威を封殺することに貢献し、モロッコとの3位決定戦では先制点を挙げるなどマン・オブ・ザ・マッチに輝き、見事に大会を締めくくった。(c)AFP