【12月25日 AFP】ボクシング、世界スーパーウエルター級4団体統一王者のジャーメル・チャーロ(Jermell Charlo、米国)が、練習中に左手を骨折し、来年1月に予定されていた無敗の挑戦者ティム・チュー(Tim Tszyu、オーストラリア)とのタイトルマッチが延期となった。24日にプロモーターが発表した。

 チャーロは今年5月にブライアン・カルロス・カスターニョ(Brian Carlos Castano、アルゼンチン)を下して同級史上初の4団体統一王者に輝き、1月28日に米ネバダ州ラスベガス(Las Vegas)で予定されていた試合は、初の防衛戦になるはずだった。

 しかし、20日に米テキサス州ヒューストン(Houston)の所属ジムで、チャーロはスパーリング中にパンチを打ち込んだ際、左手の薬指と小指の間と、親指の付け根の2か所を骨折した。その後、2人の医師と手の専門医の元を訪れ、ギプスをはめて2か月固定することになった。リハビリを開始できるのはその後で、ファイトに向けた練習を再開できるのはリハビリ完了後になる。

 チャーロは「スパーリングでいいパンチを打ったが、当たった瞬間に何かがおかしいと気づいた」と話し、「すぐに手がうずくのを感じた」と続けた。そして「2回のX線検査とMRIを受けて、何がまずいのかを確認した。それで2か所の骨折が判明した。最悪の気分だ。2か月間、ギプスをつけないといけない。ファンと同じか、もしかしたらそれ以上にがっかりしている。自分にとっては統一王座を防衛する最初のチャンスだった」と明かした。

 現在32歳で、35勝1敗1分け(19KO)の戦績を残しているチャーロは、けがをしていても21戦無敗(15KO)のチューに対応できると自信を見せ、「自分なら片手でもティム・チューを倒せるはずだが、ドクターとコミッションがそれを許さなかった」と話し、「手が治ったら、今まで以上に強くなって戻り、自分のレガシーを守るつもりだ」と意気込んだ。

 いつの開催になるにせよ、両者の対戦が2023年の最も楽しみなファイトの一つであることは変わらない。

 元スーパーライト級世界王者コンスタンチン(Konstantin Tszyu)氏を父に持つチューは、チャーロの回復を待つ間に指名選手と対戦する可能性を示唆している。

「非常にがっかりだ」としたチューは、「統一王座獲得へ向けたタイミングが来たように感じていたが、前へ進む。次の指名挑戦者と対戦する用意はできている。チャーロの準備ができて傷が癒えたら、そちらへ戻る」とコメントした。(c)AFP