商業年金の試行事業の2023年開始により年金の「第三の柱」に弾みをつける
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【12月15日 CNS】先日、中国銀行保険監督管理委員会は「年金保険会社の商業年金業務の試行に関する通知」を発表し、2023年1月1日から年金保険会社の商業年金業務の試行を1年間の暫定的な期間で開始することを決定した。
今回の試行対象地域は、北京市、上海市、江蘇省(Jiangsu)、浙江省(Zhejiang)、福建省(Fujian)、山東省(Shandong)、河南省(Henan)、広東省(Guangdong)、四川省(Sichuan)、陜西省(Shaanxi)の10省だ。試行事業に参加する年金保険会社は、中国人民養老保険(PICC)、中国人寿養老保険(China Life Pension Company)、太平養老保険(Taiping Pension)、国民養老保険(Guomin Pension)の4社となる。
近年、中国住民の年金保障の対象範囲は拡大し続けている。2021年末までに、中国の年金の第一の柱である基本年金は10億2900万人をカバーし、基金残高は6兆4000億元(約124兆5843億円)となった。第二の柱である企業年金・職域年金は、7000万人以上の従業員をカバーし、その資金は4兆4000億元(約85兆6512億円)まで蓄積されている。第三の柱として、現在、年金としての特性を持つ保険商品が急速に増えており、5兆元(約97兆3315億円)を超える資金が国民のための年金準備金として蓄積されている。専門の商業年金保険の試行開始から1年で、25万人以上が被保険者となり、そのうち4万7000人は新産業、新業態の労働者と各分野のフレキシブルワーカーだ。49の年金金融商品が発行され、その規模は合計1000億元(約1兆9466億円)にのぼる。
銀行保険監督管理委員会の関連部門の責任者は、商業年金は一般国民向けの普遍的かつ革新的な個人商業年金金融事業として位置づけられ、年金の第三の柱の一部であり、個人年金制度の発展を支援・補完する役割を担っていると述べた。
商業年金は、以下の点で個人年金と異なる。第一に、個人年金は、政府の政策に支えられ、個人が自発的に加入し、市場によって運営される年金保険の補完機能を実現する制度だ。それに対して、商業年金とは、個人が任意に参加し、市場化と法治化のもとに運営される年金金融業務で、年金保険会社が口座管理、計画・コンサルティング、商品購入、長期受取などのサービスをワンストップで提供するものだ。
第二に、国は、税制上の優遇措置を制定し、適格者が個人年金制度に加入し、規則に従って個人年金を受け取ることを奨励する。商業年金の被保険者個人は、関連する個人所得税の優遇措置を受けることはできない。
第三に、中国の都市従業員基本年金または都市農村住民基本年金の被保険者は、個人年金制度に加入することができる。18歳以上の個人は、年金保険会社と商業年金業務に関する契約を締結し、商業年金口座を通じて年金を長期で積み立てることができる。
第四に、個人年金資金口座は、銀行の資産運用、普通預金、商業年金、公募ファンドなど、条件を満たす金融商品の購入に利用される。商業年金の顧客は、年金保険会社が提供するさまざまな商業年金商品を選んで購入することができる。(c)CNS-経済日報/JCM/AFPBB News