【12月2日 AFP】中国での新型コロナウイルス感染拡大の厳格な防止策の撤廃と政治的自由を求める全国規模の抗議デモを受け、同国各地で2日までに、検査や隔離などのコロナ対策が徐々に緩和された。

「ゼロコロナ」政策に対する怒りといら立ちは先週、過去数十年で最大の抗議デモという形で噴出した。

 複数の都市では規制緩和に乗り出し、厳格なゼロコロナ政策下の生活の中心だった毎日の集団検査などが廃止された。

 当局は同時に、街中の警備やインターネットの検閲、市民の監視を強化し、抗議デモの封じ込めを試みている。

 成都(Chengdu)では2日までに、公の場に入ったり地下鉄に乗車したりする際に直近の陰性結果を提示せずに済むようになり、代わりに「高リスク」エリアに立ち入っていないことを示す「グリーンコード」を見せるだけでよくなった。

 北京の保健当局は1日、48時間以内の陰性結果を所持していない人への治療を拒否しないよう市内の病院に通達した。

 西安(Xi'an)では今年1月、病院がコロナの検査結果がない妊婦の立ち入りを拒否し、流産につながった。他にも、父親と共に隔離されていた生後4か月の赤ちゃんが死亡するなど、コロナ規制のために治療が遅れ、死亡するケースが相次いでいた。

 流行が確認されていても、レストラン、ショッピングモール、学校が再開されている都市も多く、これまでの方針からの明らかな転換が起きている。

 政府高官も、より広範なゼロコロナ政策の緩和を検討していることを示唆した。

 国営新華社(Xinhua)通信によると、11月30日の国家衛生健康委員会(National Health Commission)に出席した孫春蘭(Sun Chunlan)副首相は、変異株「オミクロン株」は弱毒化しており、ワクチン接種率も向上していると発言した。

 コロナ対応で中心的な役割を担ってきた孫氏は、この「新しい状況」には「新しい職務」が必要だと述べた。

 孫氏は、一連の発言でゼロコロナ政策には触れず、経済や日常生活を停滞させてきた同政策が緩和されるとの見方が強まっている。(c)AFP