【11月25日 AFP】世界の国々が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と共存している中、厳しい規制に疲弊している中国国民は、サポーターがサッカーW杯カタール大会(2022 World Cup)をマスクなしで観戦している姿に怒りを噴出させ、政府の「ゼロコロナ」政策に疑問を投げ掛けている。

 新型コロナの感染拡大を国内で食い止める政策を掲げているのは、主要経済国では中国のみとなっており、現在でも継続して都市全体や居住区の封鎖が行われ、多くの人々がウイルス検査の義務を課されている。

 野村ホールディングス(Nomura Holdings)のアナリストによると、中国当局は22日時点でこれまで人口の4分の1以上を何らかのロックダウン(都市封鎖)下に置いており、W杯で大いに沸いている観客とは対照的な状況に、中国のSNSユーザーが怒りの声を上げた。

 広東(Guangdong)省在住のウェイボー(微博、Weibo)ユーザーは23日、「マスクなしでじかにW杯を観戦している人がいれば、1か月も家で待機させられた人、あるいはドアから出られずに2か月もキャンパスに閉じ込められた人もいる」とし、「誰が私の生活を奪ったのか? それは言わないでおこう」とつづった。

 陝西(Shaanxi)省に住む別のユーザーは、自分の国に「失望した」と投稿。「W杯のおかげで、中国の大半の人々は海外の実情を知り、祖国の経済や自国の若者を心配している」と書き込んだ。

 通信アプリの微信(ウィーチャット、WeChat)では、国の新型コロナ政策に疑問を投げ掛け、中国とカタールが「同じ惑星にあるのか」を問いかける公開書簡が22日に投稿された後、検閲により削除された。(c)AFP