【11月29日 AFP】イタリア・セリエAのユベントス(Juventus)は28日、アンドレア・アニェッリ(Andrea Agnell)会長やパベル・ネドベド(Pavel Nedved)副会長ら取締役会の全員が辞任したと発表した。

 現在トリノ(Turin)検察が進めている経理や移籍、ローンの不正疑惑に関する捜査をめぐり、取締役会は独立した法的な助言を求めていた。

 今回の辞任は、「懸案の法的および技術的・会計的な問題の重要性や関連性」を考慮し、専門家から「法律面および会計面で新たな意見」を受けての結果だとユベントスは明かした。

 今回の辞任劇は、会長としてクラブのセリエA9連覇や、2014-15シーズンと2016-17シーズンの欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)準優勝を見届けてきたアニェッリ時代の終焉(しゅうえん)を意味している。

 アニェッリ氏は欧州スーパーリーグの熱心な支持者でもあった。この構想に加わろうとしたイングランド・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)とリバプール(Liverpool FC)も、現在クラブの売却を検討している。

 しかしアニェッリ氏は、他の十数人と共に法的問題に直面する恐れがある。

 ユベントスは、2019年、2020年、2021年の決算で記載された一連の移籍による、2億8200万ユーロ(約405億8000万円)のキャピタルゲイン(償却や減損処理を差し引いた購入額と売却額の差額)について捜査されている。

 トリノの検察は、イタリアの証券取引所に上場しているユベントスが、投資家に虚偽の会計情報を提示し、その間に存在しない取り引きの請求書を発行していた疑いについて捜査している。

 退任する取締役会は、「ユベントスがこうした問題に対処するために新たな理事会をそろえることを推奨するのが、社会にとって最善の利益だと考えた」という。(c)AFP