【11月28日 AFP】イタリア・セリエAのユベントス(Juventus)は27日、疑わしい移籍と不正会計があったとされる問題で、検察当局の捜査を受けていることを発表した。

 ユベントスについては、過去3シーズンの移籍取引と、同じ時期の決算書の作成方法が疑われており、トリノ(Turin)検察の指令で26日、クラブ事務所の家宅捜索が行われた。検察は、クラブが間違った情報を投資家に伝え、存在しない取引の請求書を発行した疑いを持っている。

 クラブの発表によれば、アンドレア・アニェッリ(Andrea Agnelli)会長、クラブOBのパベル・ネドベド(Pavel Nedved)副会長、ステファノ・チェラート(Stefano Cerrato)財務部長、そして「元職員」が捜査対象になっている。元職員の一人は、イングランド・プレミアリーグのトッテナム・ホットスパー(Tottenham Hotspur)でスポーティング・ディレクター(SD)を務めるファビオ・パラティチ(Fabio Paratici)氏だと報じられている。

 この件については、イタリアサッカー連盟(FIGC)が10月、一連の疑わしい移籍について独自調査を開始している。移籍やトレードの際、会計上の理由で選手の評価額が不当に釣り上げられたり、帳尻合わせで選手の交換が行われたりした疑いがあるといい、その大半にユベントスが関連しているとされる。

 伊スカイ・スポーツ(Sky Sport Italia)は、ユベントスが絡んだ移籍で2億8200万ユーロ(約362億円)の疑わしい資産の売却益があり、検察が捜査していると報じている。ANSA通信によれば、2018年夏に加入し、この夏にプレミアのマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)へ去ったクリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)の大型移籍も捜査の対象になっている。

 またANSAは、FIGC内のクラブ監査委員会COVISOCの関係者の言葉として、昨年秋以来、ユベントスとは無関係のものを含む疑わしい取引10件以上が特定されていると伝えている。(c)AFP