【11月27日 CGTN Japanese】中国東北部の吉林省(Jilin)白山市(Baishan)の長白朝鮮族自治県は国境地帯にある小さな県で、現在は60歳以上の住民が1万5000人います。県全体の人口に占める高齢者の割合は26.58%で、全国平均レベルをはるかに上回っています。コミュニティーにおける高齢者問題が日増しに浮き彫りになる状況を受け、半年余りの建設準備を経て11月3日、高齢者サービス専門の恵民(県民福祉)食堂が営業を開始しました。この食堂は交通が最も便利な市街地の中心部にあり、高齢者は送迎バスを無料で利用できます。

 現在のところは昼食しか提供していませんが、毎日500~600人が利用しています。献立は肉料理5種と野菜料理5種で、毎日、すべて異なる料理が提供されます。高齢者が食べられるように食材は軟らかく調理されています。費用については、本来は1食当たり10元(約195円)以上の基準を満たす食事ですが、県の財政補助を受けるので、60~69歳の高齢者は1食あたり7元(約136円)、70~89歳の高齢者は1食あたり5元(約97円)の料金で、90歳以上の高齢者は無料です。開業して最初の1週間で食堂の会員数は3500人を超え、最大で1日700人近くが利用したとのことです。

 半月以上の試験営業を経て、食堂はますます円滑に運営されるようになりました。食事のためだけでなく、面識がなかった高齢者が食事を共にすることで、次第に友達になる状況が発生しています。地元民政部門の調査によると、長白県に住む60歳以上の高齢者のうち、家族が家を離れたり家族がいないための独居高齢者の割合は10%超で、その割合は年々上昇しています。食堂は、まずは高齢者らの食事の問題を解決し、次は専門のソーシャルワーカーサービス組織と協力して、精神面でも高齢者に寄り添う養老サービスの展開を模索するとのことです。(c)CGTN Japanese/AFPBB News