【11月26日 AFP】ウクライナの大統領府顧問ミハイロ・ポドリャク(Mykhailo Podolyak)氏はAFPとのインタビューで、ウクライナ軍が反撃に成功している今、ロシアとの交渉を迫る西側諸国の説得は「理解し難い」とし、降伏を求めているに等しいと批判した。

 首都キーウの大統領府にある執務室でインタビューに応じたポドリャク氏は、「戦場で主導権を握っている時に『軍事的手段ですべてを片付けることはできない。交渉が必要だ』と提案されるのは理解に苦しむ」と発言。そうした提案は「領土を奪還している国に対し、敗北している国への降伏を迫る」のと同じだと付け加えた。

 ここへ来て米国のメディアは、一部の米高官がウクライナ側に交渉を検討するよう促し始めたと報じている。米軍制服組トップのマーク・ミリー(Mark Milley)統合参謀本部議長も先ごろ、「交渉の機会」はあるのではないかとの見方を示した。

 だが、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は、ロシア軍が全領土から撤退しない限り、交渉には応じないとしている。

 ポドリャク氏は、ロシアは仲介者を通じて和平交渉を打診する一方で停戦の可能性も示唆しているが、ウクライナに「直接提案」したことは一度もないと指摘。

「ロシアは交渉を望んでいない。『交渉』の名を借りた戦略」だとして、「単なる時間稼ぎだ。その間に動員兵の訓練や武器の追加調達を行って足場を固めたいのだろう」と主張した。

 ここ数週間でウクライナ側が南部の主要都市ヘルソン(Kherson)を奪還し、ロシア軍は大敗しているにもかかわらず、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は依然として「ウクライナを壊滅できるという妄想にとらわれている」と指摘。そんな相手と交渉しても「意味がない」と断じた。