【11月22日 AFP】サッカーW杯カタール大会(2022 World Cup)に出場したイラン代表は21日、同大会初戦となるイングランド戦の前に行われた国歌斉唱に参加しなかった。自国で続く反政府デモへの支持を表明したものとみられる。

 主将のアリレザ・ジャハンバフシュ(Alireza Jahanbakhsh)は試合に先立ち、デモへの連帯を示すために国歌斉唱を拒否するかどうかをチームで決めると述べていた。選手たちはドーハのハリーファ国際スタジアム(Khalifa International Stadium)で国歌が演奏される中、険しい顔で立っていた。

 イランでは、マフサ・アミニ(Mahsa Amini)さん(22)が服装規定違反の疑いで道徳警察に逮捕された3日後の9月16日に死亡した問題をきっかけに、全土で抗議デモが2か月にわたり継続。ノルウェー・オスロに拠点を置く人権団体イラン・ヒューマン・ライツ(IHR)によれば、当局によるデモ弾圧で400人近くが死亡している。

 同国のスポーツ選手の間ではこれまでにも、デモへの支持を表明するため、国歌の歌唱や勝利の祝賀を拒否する動きが出ていた。(c)AFP