【11月20日 AFP】国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティーノ(Gianni Infantino)会長が19日、開幕目前となったW杯(2022 World Cup)について、開催国カタールの人権問題に対する西側諸国の批判を「偽善」と呼び、同国でのW杯開催を強く擁護した。

 今回のW杯は、カタールの移民労働者や女性、LGBTQ(性的少数者)への扱いに対する懸念が開幕前の話題を独占してきた。主催者のいら立ちは明らかで、カタール側は自国が「人種差別」や「ダブルスタンダード(二重基準)」の標的になってきたと反論し、地域で画期的と称賛される労働条件、安全面の改革を実行してきたと主張している。

 ドーハで記者会見に臨んだインファンティーノ会長は、批判に対して「今回のモラルに関する一方的な手ほどきは、まったくの偽善だ」と手厳しい言葉を使い、「現在の状況は極めて不当だ」と話した。

 ビールの販売も開幕前の大きな話題となっている。アルコール摂取を厳しく禁じるイスラム教国のカタールは、開幕わずか2日前の18日に方針を一転させ、会場周辺でのビールの販売を禁止した。

 しかしインファンティーノ会長は、直前の変更を問題視せず、「個人的な考えでは、1日に3時間ビールを飲めなくても、人は生きられる」と話している。(c)AFP/Rob Woollard