■「女性を食い物に」

 上海で働く陶さん(仮名)も、わずか数週間で多額の資金を失った。

 7月に人気の出会い系アプリの代理人を名乗る人物から、香港を拠点とする証券ブローカーの李という男を紹介された。李は裕福で、魅力にあふれていた。陶さんと同郷で、近々上海へ引っ越そうと考えていると話した。

 李は陶さんをだまして投資詐欺用のアプリをダウンロードさせ、5000元(約10万円)を投資させた。2日後、陶さんは投資を現金化し、かなりの利益を得ることができた。

 だが、李の押しの強さに負けて続けて行った投資は、一つとして同じようにはいかなかった。わずか10日間で陶さんは自身の年収に相当する8万9000元(約170万円)を投じた。ほとんどは借金だった。

「何もかも彼の筋書きどおりだった」「彼を信じ切っていた。ばかみたい。こういう詐欺師は、実にうまく私みたいな女性を食い物にする」と陶さんは嘆いた。(c)AFP/Matthew WALSH