【3月18日 AFP】南アフリカの中央銀行は16日夜、新型コロナウイルスに汚染されていると称して紙幣や硬貨を「回収」しようと家々を回る詐欺が横行しているとして、市民に対し注意を呼び掛けた。

 詐欺師らは、多くの市民が自宅にとどまり、スーパーに行き食料品を買いだめしていた16日、不安におびえる市民につけ込んで犯行に及んだ。

 犯人らは偽の記章を身に着けており、被害者らには偽造された領収書を発行。この領収書は銀行で「清潔な」現金と交換してもらえると説明したという。

 中央銀行は16日夜、「紙幣や硬貨を回収してはおらず、また汚染された可能性のある紙幣や硬貨を渡すよう指示を出したこともない」と指摘。「現状、新型コロナウイルス感染症が紙幣や硬貨の使用を通じて伝染するという証拠はない」と述べた。

 また、同国の民間最大手の医療事業者「ネットケア(Netcare)」は、新型ウイルス検査を行う医者のふりをした泥棒らが、住居に入り込もうとうろつきまわっていると指摘。

 同社によると、犯罪者らは「新型コロナウイルス感染症の戸別検査を行っている」「ネットケア関係者を名乗り、さまざまな地域の家々を訪ね回って」おり、「われわれの従業員は、新型コロナウイルス感染症の戸別検査を行っていないことにご留意を」と呼び掛けた。(c)AFP