【11月18日 CNS】中国政府は2023年末までに、障害のある高齢者向け訪問介護サービスのシステムを確立することを決めた。2024年末までには、訪問介護サービスを普及させ、続いて2025年末までに、障害のある高齢者に対して最低月1回の訪問を100%実施し、効果的な支援を受けられるようにするとしている。

 民政部、共産党中央政法委員会など10部門が合同で発表した「高齢者向け訪問介護サービスの実施に関する指導意見」(以下、「意見」)に盛り込まれた。

「意見」は、訪問介護サービスは政府が主導し、社会各層が参加することを明確した。定期的な戸別訪問、ビデオ通話、遠隔モニタリングなどを通じて、困難を抱える高齢者の生活実態を把握し、介護をサポートし、高齢者のニーズに応じて必要なサービスを紹介し、提供することとしている。

 困難を抱えた高齢者のための訪問介護サービスをどのように実施するかについて、「意見」は5つのタスク(任務)を示している。

 1つ目は、訪問介護サービスの仕組みの確立。全地域で、困難を抱える高齢者の徹底的な調査を実施し、高齢者の生活実態や、高齢者とその家族の要望、在宅介護の困難や安全リスクについて聞き取った上で、訪問介護サービスを提供する。

 2つ目は、訪問介護サービスの内容の充実。全地域で、地域の実情に即して、個人の自発的性を前提とし、現場のニーズを満たすことを大切にし、在宅介護における高齢者の困難を解決し、安全リスクを解決するために努力していく。

 3つ目は、訪問介護サービスの力の充実。全地域、全当事者の力を合わせて、高齢者介護サービス機関の専門性を発揮し、地域のデイケアセンターなどのサービス施設ネットワークを通じて訪問介護サービスを実施する。

 4つ目は、訪問介護サービスの質と効率の向上。訪問介護サービスの基準と仕様を策定し、サービスの頻度を合理的に決め、障害のある高齢者のためのデータベースを作り上げ、高齢者のさまざまな生活スタイルに応じた技術的アプリケーションの開発を奨励する。

 5つ目は、訪問介護サービスへの緊急対応。訪問介護サービス担当者は、訪問中に差し迫った問題を発見した場合、できるだけ早く緊急連絡先にダイヤルすることを手伝い、その後の処置状況を記録する。サービス対象に感染症などが疑われる症状を発見した場合、感染予防のために緊急対応する。

「意見」では、独居高齢者、身体障害者などの訪問介護サービスの重要性が指摘され、在宅介護の難しさを解消し、高齢者の在宅介護における安全リスクを予防・軽減し、介護サービスの基本を徹底することが重要だと強調された。(c)CNS/JCM/AFPBB News