【11月14日 AFP】2014年のサッカーW杯ブラジル大会(2014 World Cup)を制した元ドイツ代表主将のフィリップ・ラーム(Philipp Lahm)氏が13日、カタールでのW杯開催を認めるべきではなかったと話し、大会から距離を置くことを誓った。

 ラーム氏は独週刊紙ツァイト(Die Zeit)のコラムで、「カタールにW杯の開催権を与えたのは間違いだった」とつづり、「あの土地にはそぐわない」と主張した。

 W杯開幕を前に、カタールは外国人労働者の扱いや、女性とLGBTQ(性的少数者)の権利に対する姿勢などの人権問題に長く厳しい目を向けられてきた。前週には、大会アンバサダーのハリド・サルマン(Khalid Salman)氏が独テレビ局のインタビューで、同性愛を「精神の傷」と呼んで批判が殺到。ドイツのスタジアムでは、ファンが大会ボイコットを呼び掛けている。

 現在39歳で、ドイツで開催される2024年欧州選手権(UEFA Euro 2024)の大会ディレクターを務めるラーム氏は、カタールには行かずに大会はテレビ観戦すると述べた。

「同性愛が今も犯罪で、女性が男性と同じ権利を持てず、報道の自由と表現の自由も制限されている」と指摘したラーム氏は、出稼ぎ労働者の条件も「悲惨」だと表現し、「一人のサッカーファンとして、この雰囲気には興味を引かれない」と明かした。

 さらに、カタール開催を決めたことで、国際サッカー連盟(FIFA)は「サッカーを傷つけた」と主張し、「カタールでサッカーは人気スポーツではなく、女の子がサッカーをプレーするチャンスも実質的にゼロだ」と指摘している。(c)AFP