【11月12日 AFP】ロシア民間軍事会社「ワグネル(Wagner)」の創設者エフゲニー・プリゴジン(Yevgeny Prigozhin)氏は11日、同社が国内の対ウクライナ国境地域で民兵組織の結成と防備施設建設のため、民間人を対象とした訓練を開始したことを明らかにした。

 プリゴジン氏が経営する別企業コンコルド(Concord)の広報によると、同氏は「ワグネルが国境地域の住民に工学構造物を建てる方法を教え、民兵を訓練・組織するための支援を行っている」と説明。「すでに多数の人々が自分たちの土地を守る準備ができている」と述べた。

 主な目的は、ウクライナに国境を接するベルゴロド(Belgorod)とクルスク(Kursk)の西部2州で防備施設と訓練施設の建設を始めることだとされる。両州はここ数か月間で繰り返し攻撃を受けており、ロシアはウクライナ軍による攻撃だと批判している。

 プリゴジン氏は9月、ウクライナに戦闘員を派遣するため2014年にワグネルを創設したことを初めて公表。同社が中南米やアフリカに傭兵(ようへい)を派遣してきたことも認めた。

 ロシアでは国民が傭兵として活動することは違法とされており、プリゴジン氏とロシア大統領府はそれまで同社の存在を否定していた。

 ウクライナ当局は、プリゴジン氏がロシアの刑務所で多数の受刑者を戦闘員に採用し、前線に送り込んでいると主張している。(c)AFP