【11月12日 AFP】実業家イーロン・マスク(Elon Musk)氏が買収した米ツイッター(Twitter)のサイト上で偽アカウントが急増し、同社が対策に追われている。11日には、有料会員のアカウントに認証済みバッジを付与する新サービスの登録受け付けを停止し、先日撤回したばかりの「公式」ラベルを一部のアカウントで復活させた。

 マスク氏は先月、440億ドル(約6兆1000億円)でツイッターを買収。以来、同社はアカウント認証をめぐり方針転換を繰り返しており、混乱が広がっている。

 同社のサポート部門は11日朝、ツイッターへの投稿で、「公式」アカウントを示す灰色のラベルを一部のユーザーを対象に復活させたと発表した。このラベルは数日前に一度導入されたが、直後に撤回されていた。

 また同社は同日朝までに、青いチェックマークの認証済みバッジを月額7.99ドル(約1100円)で取得できるサブスクリプション(継続課金)型サービス「ツイッター・ブルー(Twitter Blue)」の新規登録受け付けを停止した。

 米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)などの米メディアは社内資料に基づく情報として、同サービスが「成り済まし問題に対処するため」一時停止されたと伝えている。

 言論の自由擁護を主張するマスク氏は新たな認証サービスについて、これまで著名アカウントにのみ付与されていた認証済みバッジを一般ユーザーに提供することで「人々に力を与える」と説明。パロディーであることを明示していない偽アカウントは凍結すると宣言していた。

 だがサービス導入後、著名人や企業に成り済ますユーザーが相次ぎ、米プロバスケットボール(NBA)のスター選手レブロン・ジェームズ(Lebron James)さんや、トニー・ブレア(Tony Blair)元英首相を装った偽アカウントが出現していた。(c)AFP