【11月11日 AFP】米アップル(Apple)は10日、iPhone(アイフォーン)のファイル共有機能「AirDrop(エアドロップ)」の中国での利用に制限を課した。反体制派がこの機能を使って不特定多数に電子ビラを拡散していると報じられていた。

 機能アップデート後、中国で販売されたiPhoneのユーザーには、知人以外の「すべての人」からのファイル受信に10分間の時間制限が課された。10分を経過すると、自動的に「連絡先のみ」に受信設定が切り替わる。

 これまで時間制限はなかった。今回の変更により、見知らぬ人から予定していないファイルを受信することは事実上不可能となった。

 先月、北京で男性が習近平(Xi Jinping)国家主席の罷免を要求する横断幕を掲げて抗議する騒ぎがあり、その後、AirDropが人混みで共産党を批判するビラを配布するのに利用されているとの報道が相次いだ。

 中国の検閲当局は、北京の抗議活動に関する動画や投稿を直ちに削除。通信アプリの微信(ウィーチャット、WeChat)では、この件について発言した多数のユーザーがアカウントを凍結された。

 アップルはAFPの取材に応じなかった。10日現在、中国以外で販売されたiPhoneは今回のアップデートの影響を受けていないが、この機能変更は全世界で順次導入されるとみられる。(c)AFP/Jing Xuan TENG