【11月8日 AFP】6日にアラブ首長国連邦(UAE)・ドバイ(Dubai)で行われたビーチサッカーの国際大会で、男子イラン代表の選手が、母国政府に対する抗議デモへの連帯とみられるジェスチャーを示した。ソーシャルメディアでは称賛の声が上がっているが、処分を科される可能性がある。

 ソーシャルメディアに投稿された複数の動画では、インターコンチネンタル・ビーチサッカーカップ(Emirates Intercontinental Beach Soccer Cup 2022)決勝でゴールを決めたサイード・ピラムーン(Saeed Piramoun)が、喜ぶ代わりにその場で立ち止まり、頭上で指をハサミのように動かして断髪のジェスチャーをする様子が確認された。

 イランでは現在、マフサ・アミニ(Mahsa Amini)さん(22)が服装規定違反の疑いで「道徳警察」に逮捕された後に死亡した9月中旬から抗議デモが続いており、断髪のジェスチャーは国内外で反政府運動への連帯を示すシンボルとなっている。

 イラン代表チームは準決勝の開始前にも国歌を斉唱していなかった様子が確認されており、すでに厳しい目が向けられていた。国外のテレビ局は、断髪のジェスチャーが示された直後、イランの国営テレビ局は生中継を中断したと伝えている。

 イランはブラジルを2-1で下し優勝を果たしたが、表彰式で優勝トロフィーが授与された際にも、選手たちは喜ぶ代わりに両腕を組んだまま険しい表情で起立していた。

 イランサッカー連盟(FFIRI)はピラムーンを名指しはしなかったが、フィールド上で政治と距離を置いていないとみなされた選手や関係者は処分対象になると述べている。(c)AFP