【11月8日 AFP】ローマ・カトリック教会のフランス司教協議会(Bishops' Conference of France)は7日、過去に性加害に及んだり、虐待事件の報告を怠ったりした疑いが持たれている同国の現・元司教が11人に上ることを明らかにした。うち1人は現枢機卿で、30年以上前に未成年者を暴行したと告白したという。

 同協議会の会長を務める北東部ランス(Reims)のエリック・ドムーランボーフォール(Eric de Moulins-Beaufort)大司教は記者会見で、長年にわたりボルドー(Bordeaux)の司教を務め2006年に前教皇ベネディクト16世(Benedict XVI)によって枢機卿に任命されたジャンピエール・リカール(Jean-Pierre Ricard)師(78)の書簡を公表。リカール枢機卿はその中で、「私は司祭だった35年前、14歳の少女に対し非難されるべき行動をとった」と認めた。

 11人はいずれも、刑事訴追や教会による懲戒処分の対象となる。元司教6人はすでに仏当局や教会の司法機関により訴追されており、うち1人はその後死亡したという。

 カトリック教会では昨年、フランスで1950年代以降の70年間にわたり聖職者による児童虐待が横行していたと結論する報告書が公表され、衝撃が広がった。被害者は21万6000人で、カトリック学校の教師などの非聖職者からの被害を含めると33万人に上るとされる。(c)AFP