【11月1日 AFP】ドイツのナンシー・フェーザー(Nancy Faeser)内務・国家相が31日、カタールに到着し、同国の人権問題について説明を受けたと独外交官が明らかにした。同氏は先日、カタールでのサッカーW杯(2022 World Cup)開催を疑問視する発言を行い、これが外交問題に発展している。

 フェーザー氏は先日テレビ局のインタビューで、独政府の見解からすればカタールでのW杯開催は「非常に危うい」ものだとし、「こうした国々には大会の開催権を与えない方がよい」と疑問を呈した。この発言を受けて、カタール外務省は先日、ドイツ大使を呼び出して抗議していた。

 同外交官はAFPの取材に対し、フェーザー氏と独サッカー連盟(DFB)のベルント・ノイエンドルフ(Bernd Neuendorf)会長は現地到着後、国連(UN)の国際労働機関(ILO)の組合代表や関係者と面会したという。

 独代表団の中には同国議員も含まれていたものの、政府で人権政策委員会の責任者を務めるルイーズ・アムツベルク(Luise Amtsberg)氏は、先月30日に訪問を取りやめていた。

 フェーザー氏はカタールのハリド・ビン・ハリファ・ビン・アブドルアジズ・サーニ(Khalid bin Khalifa bin Abdul Aziz al-Thani)首相兼内相と、国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティーノ(Gianni Infantino)会長とも面会する予定となっていた。

 欧州にとって天然ガスの供給源としての重要性が高まっているカタールは、移民労働者の扱いや、LGBTQ(性的少数者)や女性の権利をめぐる批判にますます敏感になっている。(c)AFP