【10月30日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)に参戦するレッドブル(Red Bull)が、予算制限違反で罰金と空力テスト制限の処分を科されたことについて、ライバルチームは29日、処分の影響は「非常に限定的」で、抑止力として働く可能性は低いと主張した。

 レッドブルは2021年に1億4500万ドル(約214億円)の年間予算制限を超過したため、国際自動車連盟(FIA)から罰金700万ドル(約10億円)と空力テスト10パーセント削減の処分を科された。

 この処分について、レッドブルのクリスチャン・ホーナー(Christian Horner)代表は、「甚大」で「過酷」な制裁だと話しているが、一部のライバルチームはこの表現をあざ笑い、フェラーリ(Ferrari)、メルセデスAMG(Mercedes AMG)、マクラーレン(McLaren)を中心に処分内容への不満をあらわにしている。

 マクラーレンのアンドレアス・ザイドル(Andreas Seidl)代表は、処分内容に幻滅してホーナー代表の言葉に耳を貸す気にならなかったと話し、「マイナス面として明らかなのは、私から見て、罰則が違反に見合っていないということだ。今後はもっと厳しい罰則を科せるようになることを希望する」とコメントした。

 フェラーリのレーシングディレクターを務めるローラン・メキエス(Laurent Mekies)氏も同じ印象を口にし、伊スカイ・スポーツ(Sky Sport Italia)に対して「われわれフェラーリは、彼らの違反額には10分の数秒の価値があると考えている。そう考えれば、こうした数字がレース結果、場合によっては選手権に実際に影響するものだということは簡単に理解できる」と話した。

「まず、10パーセントのテスト削減がそれだけのラップタイムに相当するとは思えない。それに別の問題もある。予算上限の削減が処分に含まれていない以上、彼らは別の部分に資金を使おうとするだろう」

 ホーナー代表は、今回の処分でチームは1周あたり0.5秒を失う可能性もあると主張するが、メルセデスでエンジニアを務めるアンドリュー・ショブリン(Andrew Shovlin)氏はこれを否定し、「最大で10分の2秒というのが、より現実的な数字だろう」とコメント。「(風洞テストの)回数を減らせば、コンセプト開発の自由は確かに制限されるが、われわれは、すでにかなり研究されたレギュレーションで戦っている」と見解を示した。(c)AFP