【10月19日 AFP】(更新)ロシアが併合を発表したウクライナ南部ヘルソン(Kherson)州の親ロ派当局は19日、州都ヘルソン市から避難を開始したと発表した。ウクライナ南部では、同国軍が反転攻勢を強めている。

 ロシア政府がヘルソン州「知事」に任命したウラジーミル・サリド(Vladimir Saldo)氏は、ロシア国営テレビに対し、ドニエプル(Dnieper)川の東岸へ向けて「当局全体がきょう、すでに移動を始めている」と述べた。

 また親ロ派当局は同日、「ヘルソンでは、ドニエプル川対岸への住民の計画移送が始まった」とソーシャルメディアに投稿。ロシアのテレビ局「ロシア24(Rossiya 24)」は、川を渡るためフェリーを待つ人々を捉えた映像を放送した。

 サリド氏は、当局と住民の避難は予防的措置であり、ロシア軍はヘルソンを掌握し続けるため「死ぬまで戦う」と強調。「ヘルソンを明け渡すつもりは誰にもない。だが、戦闘が起きている市内にとどまるのは、住民にとって最善ではない」と説明した。

 同氏は、避難者の正確な数は不明としながらも、ヘルソン州内の住民のうち最大4割が、戦闘を回避して移動するとしている。

 親ロ派当局は同日先に、ウクライナ軍による反攻を理由に、市民約5万人を避難させると発表していた。(c)AFP