【10月18日 AFP】ロシア連邦議会下院は17日、2013年に成立した反同性愛法の強化に向けた公聴会を開いた。一方、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は同日、愛国教育に多額の予算を割り当てるよう政府に命令。ロシア政府は、ウクライナで続けている軍事侵攻を背景に、国内の保守化に向けた政策を推し進めている。

 13年に制定された同法は、未成年に対する同性愛の「プロパガンダ(宣伝)」を禁止している。改正法案は、「家族の価値の否定」や「非伝統的な性的関係の促進」の禁止対象を全年齢に拡大する内容で、ビャチェスラフ・ウォロジン(Vyacheslav Volodin)下院議長によると今秋にも承認される見通し。

 公聴会で議員らは、ロシアが西側諸国との対立を深め、ウクライナ侵攻を続ける中、同法を強化する必要があると主張。下院情報委員会のアレクサンドル・ヒンシュテイン(Alexander Khinstein)委員長は、ウクライナ侵攻が同法に新たな重要性をもたらしたとし、「特別作戦は戦場だけでなく、人々の心や魂の中でも行われる」と述べた。

 またプーチン大統領はこの日、愛国教育に年間39億ルーブル(約92億円)の予算を割り当てるよう政府に命じた。(c)AFP