【10月18日 CNS】日中国交正常化50周年にあたり、中国作家協会(Chinese Writers' Association)の支援により創設された日本「中国文学読者クラブ」の第1回イベントが2022年9月29日、東京の中国文化センター(China Cultural Center)で開催された。

 イベントは中国教育図書輸出入有限公司、日本の早川書房(Hayakawa Publishing)、成都八光分文化伝播が共同で企画し、中国のSF作家の王晋康(Wang Jinkang)氏、宝樹(Baoshu)氏、七月(Qiyue)氏、八光分文化創始者の楊楓(Yang Feng)氏、日本のSF作家の藤井太洋(Taiyo Fujii)氏、SF翻訳家の大森望(Nozomi Omori)氏、SF編集者の梅田麻莉絵(Marie Umeda)氏が出演した。

 中国駐日本大使館公使、文化参事官の石永菁(Shi Yongjing)氏が来場して祝意を表し、「これからの50年、日中両国は文化交流を継承していくべきだ」と述べた。日本「中国文学読者クラブ」の設立は、日本の読者に現代中国を理解するための新たなプラットフォームを提供し、両国の文化交流に新たな活力を吹き込むことになるだろう。

 2時間の交流の中で、王晋康氏、宝樹氏、七月氏は、日本の読者に中国SF文学の発展の歴史と特徴を紹介し、それぞれのSF創作への道のりや、日本のSFの体験談を語った。『日本沈没(英題:Japan Sinks)』『鉄腕アトム(英題:Astro Boy)』『恐竜戦隊コセイドン(英題:Dinosaur Corps Koseidon)』から『銀河英雄伝説(英題:Legend of the Galactic Heroes)』まで、日本の優れたSF作品の数々が中国の作家に与えたインスピレーション、影響、そして自然災害、人類の運命、文明の未来などをテーマにした中国のSF作家の深い思考と豊かな想像力について語り合った。

 藤井太洋氏、大森望氏、梅田麻莉絵氏は、『猫城記』などの作品から、中国のSF作品を読んだ自身の体験を振り返り、日本のSF文学や「京都SFフェスティバル」などのイベントを紹介した。この10年で中国のSF文学は急速に発展し、『三体(英題:The Three-Body Problem)』などの作品は、その壮大で深遠なアイデアと心を揺さぶる力から、日本のSFファンにとって必読本になっている。

 楊楓氏は、日本の読者に中国SF創作の全体像を紹介し、今後、日中間の文学交流が活発になることで、より多くの優れた中国のSF作品が日本に上陸し、より多くの日本の読者に中国のSF小説の独特な魅力を理解してもらうことを期待すると述べた。

「中国文学海外読者クラブ」は、中国作家協会と各国の文学愛好家が共同で立ち上げたもので、海外の読者に中国文学作品を紹介し、より多くの中国人作家を世に送り出すことを目的としている。2021年8月の発足以来、多くの国から好評を博し、日本を含む22か国に設置され、読書感想の分かち合いや詩歌の朗読など、さまざまな形で40回以上の活動を行い、海外での中国文学の継続的かつ深みのある、地域密着型の普及のための良好な土台を築いている。(c)CNS/JCM/AFPBB News