【10月16日 AFP】(更新)中国共産党の5年に1度の党大会が16日、北京の人民大会堂(Great Hall of the People)で開幕した。習近平(Xi Jinping)総書記(国家主席)は冒頭演説で、台湾問題に関して「武力行使を決して放棄しない」と明言。また、腐敗取り締まりによって党内と軍における「深刻な潜在的危険」を排除できたと述べ、自ら推進してきた政策を自賛した。

 約2300人の党代表を前に、習氏は台湾問題について「武力行使を放棄することは決してない」と強調。「台湾問題の解決は中国人自身の問題であり、中国人のみによって解決されなければならない」とし、「われわれは最大限の誠意と取り組みによって平和的統一へ向けた努力を堅持する」と語った。さらに、「必要なあらゆる措置を取る選択肢を留保する」とも述べた。

 習氏はまた、「国家統一と民族復興の歴史的な歯車は前へと回っている」と語り、「分離主義と干渉」を非難。香港で国家安全維持法(国安法)の導入により反体制派が一掃されたことに関して、「混沌(こんとん)から統治へ」移行したと歓迎した。

 一方、習氏は「腐敗との戦いは圧倒的な勝利を収め、全面的に強化され、党・国家・軍の内部にあった深刻な潜在的危険を排除した」と述べた。習氏の腐敗取り締まりをめぐっては、党内の反対意見を抑え込むのに利用されているとの批判がある。

 約100分間に及んだ演説では、新型コロナウイルス封じ込めのため国民生活を厳しく制限し経済にも打撃を与えている「ゼロコロナ政策」について、「国民の安全と健康を最大限に守った」とし、党の継続的な取り組みの大きな成果だとたたえた。

 外交に関しては「あらゆる形態の覇権主義や権力政治、冷戦思考、他国への内政干渉、二重基準に中国は断固として反対する」と述べたが、対米関係の悪化やロシアのウクライナ侵攻には言及しなかった。

 今回の党大会で、習氏の3期目続投が決まるのは確実とみられている。(c)AFP