【10月11日 AFP】陸上競技の不正防止機関「アスレチックス・インテグリティ・ユニット(AIU)」は10日、ドーピング違反により、男子短距離のチジンドゥ・ウジャ(Chijindu Ujah、英国)に22か月の資格停止処分を科した。ウジャは東京五輪の男子4×100メートルリレーのメンバーで、2位に入った英国はすでに銀メダルを剥奪されている。

 ウジャが陽性反応を示したのはオスタリン(Ostarine)と選択的アンドロゲン受容体調節薬『SARM S-23』。しかし、AIUと世界反ドーピング機関(WADA)は、違反は故意によるものではなく、禁止物質が混入したサプリメントを摂取した結果だという裁定を下した。

 その結果、処分は意図的なドーピング違反の場合よりも短くなり、ウジャは来年にも競技に復帰できる。処分期間は陽性反応を示した2021年8月6日から2023年6月5日までのため、来年8月に開催される第19回世界陸上ブダペスト大会(World Athletics Championships Budapest 2023)に参加できる可能性もある。

 ウジャは自身の薬物違反について、小売り大手アマゾン・ドットコム(Amazon.com)で10ポンド(約1600円)で購入した「手頃な」サプリメントによるものだと主張しており、英紙ガーディアン(Guardian)で「間違いなく私の過ちだが、人はミスをするもの。不正はしていない」とコメントしている。

 しかし、AIUの責任者を務めるブレット・クロージア(Brett Clothier)氏は、ウジャの件はアスリートが摂取する物質に対して責任を持たねばならないということを示しているとし、「アスリートは何を体に入れるにせよ、100パーセント確信して行うことが他の選手に対する義務。どんなに些細(ささい)でも疑いがあれば、取り込んではならない」と述べた。(c)AFP