【10月11日 AFP】ウクライナの首都キーウでは10日早朝、恐ろしいごう音とともに飛来したミサイルにより、ここ約4か月なかった死と破壊がもたらされた。

 爆発で建物は破壊され、水道管は破裂。地面には穴が開き、自動車が炎上した。週の始まりを迎える中で起きた攻撃に、同市の市民約300万人は動揺。中には、攻撃によって眠りから覚めた人もいた。

 公園のベンチに座っていたイワン・ポリャコウさん(22)は、怒りのあまり言葉を詰まらせながら、「とてもショックを受けている」とAFPに語った。キーウには同日朝に着いたばかりで、爆発があったときは通りを歩いていたという。「子どもや女性が泣いているのを見た。私はキーウを愛している。市民は善良で、勇気がある。でも一瞬で死んでしまう」

 ロシア軍は同日、ウクライナ各地の都市を攻撃。国家警察によると、キーウでは少なくとも5人が死亡、12人が負傷した。同市中心部にある木々に覆われたタラス・シェウチェンコ(Taras Shevchenko)公園では、ミサイル攻撃によって子どもの遊び場の横に大きな穴が開いた。

 近所に住む語学教師のクセニャ・リャザンツェワさん(39)は、爆発音で目が覚めたという。「(周辺には)大学もあるし、博物館や美術館もある。軍事目標とか、そういったものはない。(ロシアは)民間人を殺している」と怒りをあらわにした。

 セルヒー・アハポウさんは、今回の攻撃について、クリミア(Crimea)半島とロシア本土を結ぶ橋で起きた爆発に対する報復だったと確信している。「クリミア橋(での爆発)の後、すべてが始まった。昨日はザポリージャ(Zaporizhzhia)、きょうはキーウ。民間人が苦しんでいることから、これは非常に恐ろしく残酷な報復だ」

 アハポウさんは、市民の間には「恐怖と、早く終わってほしいという気持ちの両方がある」と説明。「なぜ私たちにこんなことをするのか、一体目的は何なのか、理解できない」と語った。(c)AFP/Emmanuel PEUCHOT