【9月30日 東方新報】東京練馬文化センター(Nerima Culture Center)大ホールにて9月16日、「『一衣帯水、共創未来』(一衣帯水、共に未来を創る)中日国交正常化50周年慶祝公演」が幕を開けた。当公演は全日本華僑華人社団連合会(以下、「全華連」)が主催、日本華僑華人連合総会、東京華僑総会、日本中華総商会の共催、中国駐日大使館、中国文化センター(China Culture Center)、一般社団法人東京華助中心、日本国際貿易促進協会(JAPIT)、日中友好会館(Japan-China Friendship Center)、日中協会(JCS)の後援、貴州茅台酒(Kweichow Moutai)の協賛で開催された。

 公演には、孔鉉佑(Kong Xuanyou)中国駐日本国特命全権大使、福田康夫(Yasuo Fukuda)元首相、主催者「全華連」賀乃和(He Naihe)会長および何徳倫(He Delun)執行会長、共催の公益財団法人日中友好会館の小川正史(Masashi Ogawa)理事長、一般社団法人日中協会の瀬野清水(Kiyomi Seno)理事長、日本華僑華人連合総会会長兼東京華僑総会の陳隆進(Chen Longjin)会長、公式協賛企業の日和商事(Nichiwa Shoji)黄曜東(Huang Yaodong)社長、イトーヨーカ堂(Ito Yokado)の三枝富博(Tomihiro Saegusa)会長ら、ならびに「全華連」の支部機構代表者、協賛企業の代表が参席し、また中日20人以上のメディア記者や1400人を超える観客が会場を訪れた。

 最初に「全華連」賀乃和会長は開会のあいさつを次のように述べた。「今年は中日国交正常化50周年です。私は主催の全日本華僑華人社団連合会を代表し、この50年来の中日友好に貢献した民間の人びとと友人たちに感謝いたします。日本には110万人あまりもの華僑華人がいます。われわれは日中間における重要な架け橋であり、中日友好交流提携に欠かせない民間の力です。人々と文化の交流を拡大させ、多方面で中日民間友好交流を展開させることは、われわれ海外華僑華人の責任と義務であります」

 次に、孔鉉佑中国駐日本国特命全権大使が、次のような祝辞を述べた。「金秋の節に中華人民共和国73周年誕生を喜び迎え、全華連は中日国交正常化50周年を記念し「一衣帯水、共に未来を創る」を開催しました。私は中国駐日本大使館を代表して皆さまに向け謹んでごあいさつをさせていただくとともに、公演成功のために熱烈な祝福を贈ります。中日国交正常化からの50年は、中日関係の発展が最も速く、両国人民にもたらした幸福が最も多く、地域と世界に対する影響が最も大きな50年でした。現在、中日関係には機会と挑戦が併存しています。双方のリーダーは重要な認識を共有し、国交正常化の初心を共に温めながら、中日の四つの政治文書の原則と精神を堅持し、政治的な相互信頼を増進し、相互提携を深め、人びとと文化の交流を拡大させてゆきます。矛盾や意見の相違にもきちんと向き合い、平和的で友好的で協力的な正しい方向に向かうべく両国関係を推し進め、さらに成熟し安定し健康的で強靱(きょうじん)な中日関係をこれからの新たな50年へ届けてゆきましょう」

 続いて、福田康夫元首相は次のように祝辞を述べた。「今年は日中国交正常化50周年ということで、このお祝いを兼ねているとお聞きしまして、私からも心から皆さま方にお礼を申し上げたいと思っております。心機一転、心を入れ替えて、そして全く違う明るい社会を目指して頑張ろうじゃありませんか。今日はこのお祝いの会を心から喜び、そしてまた皆さまとともに喜んで、そして明日への期待を大きくしたいと思います。どうぞ皆さん、これからもよろしくお願いいたします。ありがとうございました」

 公演は「一衣帯水」と「共創未来(共に未来を創る)」の二部構成で行われた。第一章「一衣帯水」では、当時中国で全国的に人気を博したテレビドラマ『排球女将(燃えろアタック)』の主人公「小鹿ジュン」役の荒木由美子(Yumiko Araki)さんが同ドラマの主題歌を歌った。荒木さんの歌声は観衆に小鹿純子の「決してくじけることのない不屈のパワー」を感じさせ、また日本で活動する中国人歌手の謝鳴(Xie Ming)さんが心を込めて歌う日本のテレビドラマ『血疑(赤い疑惑)』の主題歌が再び観衆の感動を呼び起こした。二胡の独奏「白毛女」では、中日友好交流の推進に重要な貢献を果たした松山バレエ団(Matsuyama Ballet)がこの夜会のために編集したバレエの映像を通じて、「白毛女」の主人公「喜児」の姿を見事に表現するパフォーマンスを披露した。日本で活動する京劇の演技芸術家呉汝俊(Wu Rujin)氏と青年歌手の池天擇(Chi Tianze)さんはジャンルを超えて共演し、歌曲灯火里的中国(灯の中の中国)の熱唱は会場の全員をさらに魅了した。

 第二章は、日本人青年ピアニスト藤原新治(Shinji Fujiwara)さんと14歳の中国人少女劉紫瑶(Liu Ziyao)さんによるピアノ連弾演奏「我的祖国(私の祖国)」と「時代」で、その幕を開けた。主催者は、今年84歳になる元日本女子卓球代表松崎キミ代(Kimiyo Matsuzaki)選手のインタビュー特別企画を準備していた。彼女はかつての中日間の「ピンポン外交」で「敗れてもなお誉れ高い名選手」と称えられ、当時の周恩来総理から茅台酒2本を贈られたという。また当時の中国で有名なスポーツ雑誌「卓球世界(Table Tennis World)」では「スタジアムの女帝」と言われていた。彼女は中国との関係が親密だったため、今では「50年前の福原愛(Ai Fukuhara)」とも称されている。インタビューの中で彼女は「切っても切れない中国との深い縁」を語り、会場の皆を感動させた。

 チェロ独奏「You Raise Me Up」の悠々とした音色とともに夜会は特別プログラムへと進み、「全華連」の「中日友好民間大使」の栄誉称号の授与式が行われた。中日友好に傑出した貢献を果たした元日本卓球女子代表の松崎キミ代選手、NPO法人日中友好技術人材交流協会の梅木信秋(Nobuaki Umeki)最高顧問、日和商事株式会社の黄曜東社長、全株式会社(Zen)の中尾芳広(Yoshihiro Nakao)会長、映画俳優の矢野浩二(Koji Yano)さん、京劇芸術家呉汝俊氏、周恩来研究所所長で法政大学(Housei University)名誉教授の王敏(Wang Min)氏の7人に民間大使の栄誉証書が授与された。公演は最後に「紅旗飄飄」と「故郷」の男声合唱で幕を下ろし、観衆の拍手は延々と鳴りやむことはなかった。

 主催者の「全華連」にとって今回の公演は、日本社会で華僑華人が主催した最大規模の祝典の一つだっただけではなく、中日両国国民の願望に符合し両国の社会に感動と温かさをもたらす「盛大な催し」ともなった。

 日中両国国交正常化からの50年は、雨にも負けず風にも負けず、切磋琢磨(せっさたくま)を繰り返しながら前進してきた。これからも中日両国の末永い友好を希望する。(c)東方新報/AFPBB News