【9月29日 AFP】サウジアラビアが後援する男子ゴルフの新リーグ、リブゴルフ・インビテーショナル(LIV Golf Invitational)シリーズが、米放送局FOXスポーツ(Fox Sports)の放送枠購入に近づいていると、同国メディアが28日に報じた。

 米誌ゴルフウイーク(Golfweek)のウェブ版は、複数の関係者の話として、リブゴルフが大会を中継するための放送枠を同局から購入する意向だと伝えた。

 記事では、契約が今シーズンの残りの大会で有効になるのか、それとも2023年から始まるのかについては不明だとされている。

 スポーツビジネスでは、放送局が競技団体に放映権を支払うというのが通常で、放送枠を購入しようとするリブゴルフの動きは慣習を破る形となる。ゴルフウイークは、「真剣な商業的関心を引くのに失敗したと広く解釈される」動きだと報じている。

 リブゴルフの発足は今年、ゴルフ界に危機をもたらし、競技を分断するおそれのある激しい対立を生んだ。

 3日間の計54ホールで行われ、各大会で史上最高額となる総額2500万ドル(約36億1000万円)の賞金が設定されているリブゴルフは、キャメロン・スミス(Cameron Smith、オーストラリア)やフィル・ミケルソン(Phil Mickelson、米国)、ブライソン・デシャンボー(Bryson DeChambeau、米国)、ブルックス・ケプカ(Brooks Koepka、米国)といったスター選手を呼び込んでいる。

 しかし、サウジアラビアの政府系ファンド「公的投資基金(Public Investment Fund)」が資金を援助するリブゴルフには、同国の人権問題から目をそらす「スポーツウオッシング」のために設立されたという批判もある。

 リブゴルフのグレッグ・ノーマン(Greg Norman)最高経営責任者(CEO)は今月、大会中継に関して複数の企業が強い関心を示していると明かしていたが、ゴルフウイークによれば、NBCCBS、ディズニー(Disney)、アップル(Apple)、アマゾン(Amazon)などは、すでに手を引いたとされている。(c)AFP