チェス世界王者「競技存続に関わる」 19歳新星の不正を批判
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【9月27日 AFP】チェス界のスーパースター、マグヌス・カールセン(Magnus Carlsen、ノルウェー)は26日、19歳の新星ハンズ・ニーマン(Hans Niemann、米国)の不正を初めて公に批判し、これまで本人が認めているよりも時期は最近で件数も多いと指摘した。
世界チェス選手権(FIDE World Chess Championship)で通算5度の優勝を誇る31歳のカールセンは、今月行われたシンクフィールド・カップ(Sinquefield Cup)でニーマンに敗れた後、大会を棄権。それ以降の3週間は、二人をめぐる騒動がチェス界を揺るがせている。
前週のオンライン大会「ジュリアス・ベア・ジェネレーションカップ(Julius Baer Generation Cup)」でも、カールセンがニーマンと対戦した際に即投了したことで、騒動が再燃した。
カールセンは自身のツイッター(Twitter)に「親愛なるチェス界へ」との書き出しの書簡を投稿し、「ニーマンは本人が公に認めているよりもっと多く、もっと最近の時期にも不正を行っていたと確信している」とつづった。
具体的な不正方法については言及しなかったが、「彼の駒の進め方は普通ではない」と指摘し、不正行為は「競技の存続に関わる脅威だ」と主張。「過去に何度も不正を繰り返している人々とはプレーしたくない」と強調し、「それがどんなものであれ」真実が明らかになることを望んでいると締めくくった。
ニーマンは12歳と16歳のときの二度にわたってオンラインで不正を行ったと認めているが、対面での対局では一度も不正行為をしたことはないと主張しており、潔白の証拠として裸でプレーすることもいとわない姿勢を示している。
今月上旬には、世界的なオンラインプラットフォームのchess.comで、不正行為により除名処分を科されたニーマン。AFPは取材を申し込んだが、すぐに回答は得られなかった。(c)AFP