【9月21日 AFP】イランで、頭髪を覆うスカーフの着用方法をめぐり警察に逮捕された女性が死亡したことを受け、抗議デモが広まっている。女性の出身地である西部クルディスタン(Kurdistan)州のイスマイル・ザレイ・クーシャ(Ismail Zarei Koosha)知事は20日、同州のデモで3人が死亡したことを明らかにした。

 マフサ・アミニ(Mahsa Amini)さん(22)は、家族と訪れていた首都テヘランで13日、服装規定などを取り締まる「道徳警察」に逮捕され、警察署に連行された。その後、昏睡(こんすい)状態に陥り病院に搬送され、16日に死亡。警察署で何が起きたのかははっきりしないが、アミニさんの頭部には打撲傷があったとされる。

 報道によると、同州では18日、約500人がデモを行い、参加者の一部が車の窓を割り、ごみに放火。警察が参加者を逮捕したり、催涙ガスを使用したりした。テヘランでも19日、デモ隊に対し警察が警棒や催涙ガスを使用した。

 同国のファルス(Fars)通信によると、知事は同州のデモでの死者3人について、死亡日時は明らかにしなかったものの、「敵の企て」により「不審な」死を遂げたと説明。ディバンダーレ(Divandarreh)で「治安当局が使用していない種類の武器」で1人が殺害され、サケズ(Saghez)では1人の遺体が病院の近くの車の中に置き去りにされた状態で見つかったとした。3人目の死者については詳細に触れなかった。(c)AFP