■優雅なスタイル

「ビッグ3」はそれぞれが熱狂的なサポーターに支えられ、男子テニスの黄金時代において最終的に誰が頂点に立つのかという議論に、多くのファンが熱中している。

 王座に君臨する選手を決めるのはグランドスラムのタイトル数だけではないものの、その数字が判断材料として重要視されるようになってきている。

 男子シングルスのツアー優勝回数では、歴代最多の109勝を記録しているジミー・コナーズ(Jimmy Connors)氏に次いで、フェデラーがビッグ3の中で最も多い103勝を記録。世界ランキング1位の通算在位期間では、ジョコビッチが現時点で歴代トップの373週、フェデラーが310週、ナダルが209週となっている。

 人気の面では他の二人に劣るジョコビッチだが、グランドスラムではナダルに負け越しているとはいえ、直接対決では両者に勝ち越している。

 数字がうそをつくことはないが、記録だけでは全てを語ることはできず、最終的にフェデラーと他の二人を分けるのは、快挙の数々ではなく、むしろその優雅なスタイルかもしれない。

 引退のメッセージで「一生忘れることはない数々の名試合を戦えたのは幸運だった。常に互いを高め合い、一緒にテニスを新しいレベルに押し上げた」と過去の対戦相手に感謝したフェデラー。19歳のカルロス・アルカラス(Carlos Alcaraz、スペイン)が全米オープンでグランドスラム初優勝を果たし、史上最年少で世界ランキング1位に浮上したわずか数日後の発表でもあった。

 これから男子テニス界の不滅の戦いは36歳のナダルと35歳のジョコビッチのライバル対決へと移り、去るスイスのレジェンドは見事な足跡を残して歴史にその名を刻む。(c)AFP