【9月15日 AFP】ベラルーシの強権的な指導者で親ロシアで知られるアレクサンドル・ルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領が14日、まきを割りながら今冬に欧州が「凍死する」のを救うと皮肉を込めて訴える映像が、国営テレビで放映された。

 ウクライナ侵攻の影響で、欧州ではロシアからの化石燃料の供給が減っているが、欧州各国は代わりの調達先を見つけられずにいる。

 映像でルカシェンコ氏はジャージー上下にベストを身に着け、まきの山の前に立ち、陽気な様子でおのを振り下ろしている。

 まきを割りながら同氏は「欧州を凍死させるわけにはいかない」と冗談を飛ばし、「われわれが彼らを助ければ、いつか彼らが私たちを助けてくれるかもしれない」と語った。

「欧州はこの頃、えり好みはしていられない。重要なのは暖を取ることだ」

 ルカシェンコ氏は、2020年の大統領選で不正があったとして抗議する市民を弾圧。さらにロシアのウクライナ侵攻を支援したことから、西側から多数の制裁を科されている。

「欧州最後の独裁者」とも呼ばれる同氏はこれまでにも、若い女性と農作物を収穫したり、ホッケーをプレーしたりするなど定期的に変わった動画を公開することで知られる。

 20年の抗議デモの最中には、デモ参加者の上空をヘリで飛び、自動小銃AK47を片手に、参加者を「ネズミども」と呼ぶ動画を公開した。(c)AFP