【9月18日 CGTN Japanese】800kV超々高電圧直流送電プロジェクトの白鶴灘ー浙江送電線の重慶長江横断部分が14日に完工しました。

 この送電路線は中国西部の電力資源を活用して電力が不足する東部工業地帯に送電する国家レベルの電力事業である「西電東送プロジェクト」において、中国南西部の四川省(Sichuan)と雲南省(Yunnan)の境界にある白鶴灘水力発電所のクリーンなエネルギーを送電する重要なプロジェクトであり、長江上流部の金沙江の主流にある白鶴灘水力発電所から四川省、重慶市(Chongqing)、湖北省(Hubei)、安徽省(Anhui)、浙江省(Zhejiang)を経由する送電ルートは総延長が2140キロあります。うち中国南西部の経済中心都市である重慶市内の距離は331.25キロで、送電塔は641基あり、山間部が全体の71%以上に達します。着工は2021年10月で、これまでに98.3%が完成しました。

 重慶市江津区の長江東岸にあるSN2082号送電用鉄塔は高さ189.2メートルで重さは909.83トンある、中国南西部地域で最も高くて重量が最大の送電用鉄塔です。同工区では、すべての鉄塔には監視カメラと張力計の制御監視室が設けられ、回線の状態や横断物のリアルタイムの監視が行われます。

 長江を横断する部分の架線作業では、送電線の垂れ下がる落差が110メートルを超えることに対応するため、北斗高精度測位技術と無線通信技術を初めて利用して作業を行いました。この技術により、架線を自由に移動するモジュールを使って基地局に測位情報をリアルタイムに発信しました。目視で状態を確認できない環境で架線の状況を判断できるこの技術によって、山間地帯が多く霧が多発する現地の問題を解決し、精度は20ミリメートルにまで抑えられました。

 この送電線の重慶部分の架設は9月末に完了し、11月には送電を開始できる予定で、年間送電量は300億kWhを上回る見込みです。(c)CGTN Japanese/AFPBB News