【9月13日 AFP】国際研究チームは12日、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(James Webb Space Telescope)が撮影した「オリオン大星雲(Orion Nebula)」の初画像を公開した。研究チームからは「息をのむ」画像との声も上がった。

【編集部おすすめ】色鮮やかな「車輪銀河」 ウェッブ宇宙望遠鏡の最新画像

 オリオン座の方向に、地球から約1350光年の距離にあるこの星形成領域は、45億年以上前に太陽系が形成された状況と類似した環境にある。

 太陽系進化の最初の数百万年間に起きた事象への理解を深めるために、天文学者らはこの領域に関心を向けている。

 星雲は大量の塵(ちり、固体微粒子)に覆い隠されており、可視光の望遠鏡では観測できないが、ウェッブ宇宙望遠鏡は赤外線を使用するため、この塵を透過しての観測が行える。

 今回の観測では、最小で40天文単位(AU〈1AUは太陽地球間の平均距離〉)までの注目すべき構造が多数存在することが明らかになった。40AUは、太陽系の大きさに相当する。

 こうした構造の一つに、星間物質が密集したフィラメントがある。フィラメントの中では、新しい世代の恒星や原始恒星系が形成される可能性がある。原始恒星系は中心の原始星とそれを取り巻く塵とガスの円盤で構成され、この円盤の中で惑星が形成される。

 国際研究チームの一人である米ミシガン大学(University of Michigan)の天文学者エドウィン・バーギン(Edwin Bergin)氏は「星形成のサイクル全般に関する理解が得られると期待している」と述べている。(c)AFP