【9月10日 AFP】米大リーグ機構(MLB)は9日、2023年シーズンからのルール変更として、投球間の時間制限「ピッチタイマー」、ベースのサイズ拡大、守備シフトの制限を導入することを承認した。これらの規則は育成リーグレベルで試験導入され、試合時間の短縮および競技の安全性を考慮する目的で導入される。

 今回の新ルールは、現役選手4人と審判員1人、そしてリーグが任命したメンバー6人で構成されるMLBの合同競技委員会によってのみ提案されたものとなっている。試験導入されていたボールとストライクの自動判定システムについては、今回は推奨されなかった。

 ピッチタイマーでは、打者は30秒以内に打席に入る必要があり、投手は無走者なら15秒以内、走者がいる場合は20秒以内の投球が求められる。打者は時間内に打席に立たなかったり、残り8秒で警告されたりすれば1ストライクが宣告される。

 投手がけん制を試みたり、マウンドの投球板から足を外したりした場合、ピッチタイマーの時計はリセットされるが、投手はそれぞれの動きを1打者に対して2回までに制限される。その打席内で走者が盗塁した場合、これがリセットされる。また、3回目のけん制球が行われ、それが成功しなかった場合、走者は一つ進塁できる。

 守備シフトのルール変更では、守備側は(投球が行われるまで)少なくとも4人の内野手(投手を除く)を配置し、二塁ベースを挟んで両サイドに2人ずつ位置する必要がある。

 ベースの大きさはこれまでの15平方インチ(約38平方センチ)から18平方インチ(約46平方センチ)に拡大されるが、本塁のサイズは変更されない。MLBによると、これによって主な目的である盗塁のチャンスを増やすことにつながり、走者と守備選手の距離も広まって衝突が避けられるという。

 一塁と二塁、さらに二塁と三塁の距離は4.5インチ(約11センチ)縮まることでも、盗塁数の増加が期待される。(c)AFP