【9月10日 AFP】ウクライナの国営原子力企業エネルゴアトム(Energoatom)のペトロ・コーチン(Petro Kotin)社長は9日、AFPのインタビューに応じ、同国南東部のザポリージャ(Zaporizhzhia)原子力発電所を占領するロシア軍が原発職員2人を殺害し、他の多くの人々も拘束下に置き虐待していると語った。

 首都キーウの事務所で取材に応じたコーチン氏は、同原発がロシア軍に占領されて以来「職員に対する嫌がらせの体制が徐々に確立されていった」と証言。2人の職員が撲殺され、10人前後がロシア人に連れ去られて所在不明となっているとした。さらに約200人が拘束されているという。

 同氏は、職員が「拷問」や「殴打」を受けており、同原発は「極めて困難」な状況にあると説明。「ロシアの軍人はウクライナ政府支持者を探して迫害している。人々は心が折れている」と訴えた。

 一方、国際原子力機関(IAEA)のラファエル・グロッシ(Rafael Grossi)事務局長は同日、ソーシャルメディアへの投稿で、原発のあるエネルホダル(Energodar)で砲撃による停電が発生し、発電所の安全な運営が脅かされていると発表。今回の砲撃を「劇的な展開」と表現し、「これは断じて受け入れられない」と糾弾した。(c)AFP/Dmytro GORSHKOV