【9月8日 AFP】ウクライナの国営原子力企業エネルゴアトム(Energoatom)は7日、同国南東部でロシア軍の占領下にあるザポリージャ(Zaporizhzhia)原子力発電所に国連(UN)の平和維持部隊を派遣することを支持すると表明した。

 欧州最大級のザポリージャ原発周辺では砲撃が相次いでおり、核災害の懸念が高まっている。先週、同原発に調査団を派遣した国際原子力機関(IAEA)は6日に発表した報告書で、現地の現状は「維持不可能」だと指摘。周辺に安全地帯を設置するよう求めた。

 エネルゴアトムのペトロ・コーチン(Petro Kotin)社長は同国テレビ局の放送で、「原発に安全地帯を設置する方法の一つは、現地に平和維持部隊を派遣し、ロシア軍を撤退させることだ」と述べた。

 原発への砲撃について、ウクライナとロシアの双方が相手側の攻撃だと主張している。5日には砲撃によって火災が発生し、唯一稼働している原子炉が電力網から切り離された。IAEAの報告書が発表された翌6日にも砲撃が行われた。

 ウクライナ原子力規制機関のオレグ・コリコフ(Oleg Korikov)局長は、原発事故が発生した場合、近隣諸国にも影響が及ぶ可能性があると警告。一方、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は、同原発に「軍事機器はない」と主張し、IAEAの報告書は「確かに信頼している」と言明した。(c)AFP/Dmytro GORSHKOV